インフォームドコンセント
最近、異なる依頼者から、
同じような気になる話を聞かされました。
司法書士や弁護士の執務姿勢と依頼者との向き合い方についてです。
裁判でも登記でも共通するのですが、
相談を受け、受任してから仕事が完了するまで
司法書士あるいは弁護士から、依頼者への連絡が一切ない
業務の進め方をする人がいるそうです。
たとえば、債務整理だと
受任
→債務整理の開始通知を貸金業者に送付
→取引履歴の開示および引き直し計算
→過払い金の返還交渉および訴訟(または債務が残った場合の示談交渉)
→和解書を交わす(または判決を得る)
→過払い金が司法書士または弁護士の口座に振り込まれる
→依頼者に過払い金を返還及び司法書士または弁護士の報酬受領
が大まかな流れです。
ところが、
受任後、最後の過払い金返還まで一切連絡がないという司法書士あるいは弁護士がいるそうです。
「今日、○○円をあなたの口座へ振り込みましたよ。これで業務終了です。」チーン
との電話をかけておしまいという感じだそうです。
また、別の事例では、
交通事故の損害賠償を求めたいということで弁護士に依頼したあと、
数万円の費用を支払ったまま、何カ月も連絡が無いまま、
結局、賠償金も取れなかったということがあったそうです。
賠償金がとれるかどうかは、裁判所の判断もありますので、それは置いといたとしても、
最初から最後まで、なんの説明もないという仕事の進め方は、僕にはあり得ません。
医療の現場ではインフォームドコンセントというはずですが、
我々の仕事にも説明責任があると思います。
僕の場合、債務整理だと2時間は掛けて、
債務整理の概要、見通し、契約内容、掛かる費用について説明します。
受任後は、引き直し計算後、
現実として取りうる方向などを依頼者と協議または説明します。
その後も途中経過を報告します。
そして終了の報告、報酬の報告などをします。
以上は、基本的に面会して説明することにしています。(簡単に済む場合は電話の場合もありますが。)
我々の仕事は、飲食店やスーパーと違って、
何をどうして、どうなっているのか仕事の内容が見えにくいはずです。
ですから、きちんと説明を重ねて仕事を進めていく必要があると思うのです。
インターネットで仕事を「受注」し、会わずに、あるいは説明もせずに、
やっつけ仕事で済ませてしまうようなことだけはしたくないと思います。