空き家問題
所有者不明の土地について、使用者に固定資産税を課税できるように、
令和2年度の通常国会で法改正を目指すというような報道がされています。
固定資産税は、毎年1月1日現在の登記名義人が課税される決まりなのですが、
登記名義人やその相続人がどこにいるのかわからないというケースが増加していて、
固定資産税を徴収できていない状況を変えようということのようです。
数年前の時点で、九州ほどの面積が所有者不明土地になっていて、
近いうちに北海道ほどの面積に増加するという予測もあるようです。
寝屋川市も枚方市も全国と同じで、(というよりも全国より多いレベルですね。)
空き家や所有者が分からない土地がたくさんあります。
僕は、寝屋川市空き家等・老朽危険建築物等対策協議会という法に基づき、
寝屋川市が設置している協議会の委員を委嘱されています。
寝屋川市が公表しているデータによるとhttps://www.city.neyagawa.osaka.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/43/akiyataisakukeikakugaiyouban.pdf
売りにも、賃貸にも出ておらず、管理が行き届いていない空き家が1100軒以上あるようです。
このデータの後、大阪北部地震や台風の被害でさらに増えているだろうとのこと。
協議会はこれらの空き家を、どうにか減らすためにどうすればよいかを協議しています。
空き家を空き家でなくするためには、
結局、売りに出してもらうか、賃貸に出してくれればいいのですが、
その前提として、大きな障害になっているのが、相続問題なのです。
具体的には
ちゃんと管理してくださいよ、と促しても、相続の手続きを終えていないため、
相続人のうちの誰に責任があるのか、お金を出さないといけないのか、
決まっていないので、管理しようにもできない。という空き家が多いのです。
「誰がやるの」、「あんたがやれ」、「いやいや、あんたがやったらええやん」
「ほんなら、私がやろか」「ほんなら私もやるわ」「(みんなで)じゃあ、どうぞ、どうぞ」
みたいなコントみたいなことになっているのかもしれません。
この場合、コントみたいなことで埒が明かなくても、
法的には、いずれ全員が管理の責任を負うことになりますし、他人に損害を与えてしまったら、
全員で賠償を求められることもあり得ます。
そうならないためにも、やはり所有者が亡くなられるなどした場合には、
速やかに相続による所有権移転登記をされることをお勧めします。