休眠担保権のおはなし~裁判所に抹消してもらう件
抵当権抹消の登記を申請しなくても、抹消できてしまう抵当権もありました。
判決によるものではないのですが、裁判所に申立をして裁判所から法務局に登記申請してもらうというものでした。
この不動産登記簿を見ると、明治時代の抵当権が2件設定されています。
今回はこの抵当権の抹消をしました。
何十年も前から担保の登記がされているけれど、
債権者からお金の請求もされず、担保権の行使もせず、
まさにほったらかしにされている担保の登記を、
休眠担保権と言います。
一般的にそういう担保の登記は、供託をしたり、訴訟などの手続きを経て抹消するのです。
今回もパッと見て、休眠担保権キタァ~と思いました。
(あんまりお金にならないけど、イレギュラーな登記はけっこう好きだったりする(^_^;)
ところが調べていくうちに、今回は休眠担保権ではないことが分かりました。
これは休眠(眠っているだけで有効)ではなく、すでに効力を失っている担保権だったのです。
この登記簿をさらに昔へさかぼって、古文書みたいな登記簿を解読すると、
この抵当権が設定された数か月後、この抵当権者の一人がこの担保権を実行、
つまり不動産を差し押さえて競売申し立てをしていたことが分かりました。
そしてすぐに、この不動産は落札されていたのです。
この時、この2つの抵当権は効力を失ったのですが、
それがなぜか抹消されず、現在まで残っていたということです。
ということは、供託や、担保権者を訴えて抹消を求める問題ではなく、
単に、裁判所に抹消してくださいとお願いするだけです。
いや~正直、こんな手続きは知りませんでした。受験で習うことはないし。。。
勉強になりました。楽しく仕事をさせていただきました。ありがとうございます。
当事者にとっては楽しくも何ともないでしょうが(^_^;)