東京法務局へ
♪九段下の~駅を降りて~坂道を~人の流れ~追い越してゆけば~
というほどの人の流れはありませんでしたが、
九段下、日本武道館のすぐ近くにある東京法務局へ行ってきました。
登記の申請は平成16年不動産登記法の改正までは、出頭主義といって、
必ず持ち込まなければならず、郵送やインターネットでの申請はできませんでした。
当時、司法書士事務所で補助者(合格しておらず資格登録をしていない者)として勤務していましたが、
事務所のボスが大阪で不動産の取引をして、僕が東京まで登記申請書を持っていくということが何度かありました。
本当に、申請書を持って行って透明の箱に入れるだけの仕事で、それでほぼその一日の仕事が終わるので、雇われている身としては、最高にハッピーな一日でした。
現在は、郵送も認められているので、補助者にとってそんな最高の仕事はほとんどありません。僕はいま経営者の立場ですので、良い世の中になったものです。
今回はなぜ東京法務局に行ったかというと、それメインではなく、
関東のとある依頼者の元に相続登記の説明をして、ご依頼いただくために出張しました。
で、その帰りに、東京法務局に立ち寄りました。
趣味で行ったのではないですよ。ちゃんと登記申請に行ってきました。
東京法務局しか管轄がない仕事があるのです。
法務局は、不動産の所在地や会社の本店所在地などによって、取り扱う管轄が決められています。間違った法務局に申請すると、却下となります。
当事務所の地元の枚方市、寝屋川市、交野市の不動産であれば、大阪法務局枚方出張所が管轄となり、門真市、守口市の不動産であれば、守口出張所が管轄となります。会社であれば、大阪法務局の本局が管轄となります。
このように細かく管轄が分かれているのですが、唯一東京法務局でしか受け付けられない登記があるのです。その登記が成年後見の登記です。
認知症に罹患するなどして判断能力が衰えた方には、家庭裁判所に申し立てをして、財産管理などをする成年後見人が選任されることがあります。
この選任申し立てをする家庭裁判所は、成年被後見人の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てます。枚方市、寝屋川市、交野市、門真市、守口市などは大阪城の近くにある大阪家庭裁判所が管轄となります。
ここで成年後見人が選任されると、そのことを登記するために東京法務局に登記申請するのです。
大阪家庭裁判所のすぐ近くには大阪法務局がありますが、ここでは登記手続きはできません。
成年後見人に登記には、成年後見人選任の登記、後見人辞任の登記、住所の変更の登記、死亡の登記などがあります。
今回は、僕が成年後見人を務める方が住民票を移したので、その住所変更の登記を申請しました。
通常なら、郵送で登記申請しますが、今回はたまたま関東出張が重なったので、持ち込み申請しました。
全国の成年後見の登記申請をすべて受け付けているから、さぞや混雑しているかと思いきや、
椅子ひとつ、狭いついたてで囲まれた小さな小さな窓口でした。
20分待っていただければすぐに登記完了しますよ~と言われました。
郵送なら1週間はかかるのに。。。ほとんど郵送だからでしょうね。
ちなみに、成年後見の登記は、不動産や会社の登記と異なり、ペラペラの紙一枚、さらさらと書くだけの簡単なものです。
ただ、その登記された証明書である登記事項証明書は、不動産登記や会社の登記とは逆に、誰でも取得できるものではなく、成年後見人などごく限られた者しか取得できません。
個人情報の最たるものだからでしょうね。
ちなみに、この登記事項証明書が取得できるのは、東京法務局と大阪法務局だけです。
さて、仕事も終わったので、今日は、東京の友達と英気を養って、明日の仕事に備えます!