幻の土地
こんなことがたまにあります。
登記簿や公図(地図に準ずる図面)には、
はっきりと、ある土地が存在していて、その権利証もある。
なのに実際の現場にはその土地は存在しない。
この辺にあるはずなのに、そこには他人の家が建っている。
その他人の家は、ちゃんとその人が所有する土地の上に建っている。
その隣の家も同じくちゃんと建っている。
公図をみると、その二つの土地の間には、もうひとつ土地が書いてある。
でも、実際には、ない。。。
たまにある話なのです。
今回、僕が遭遇したケースは、おそらくこういうことです。
昔、広大な土地を所有していた。
たとえば登記簿には1000㎡と記載されているとしましょう。
これを宅地開発にともなって、100㎡づつ測量して、
分譲していきます。
この土地を分けることを分筆といいますが、
不動産登記法が全面改正された平成16年までは、
新たに分けた土地だけを測量して、図面を作成すればOKでした。
そうすると、測量した土地の分を引き算した面積が、
元の土地の登記簿には記載されることになります。
こうやって、9区画ほどに分譲していくと、900㎡しか切ってないのに、
もう土地がない。
引き算を重ねた登記簿上は、まだ何㎡か残っているのに、
実際には、もう切り取る土地が全くないということが起こります。
なぜなら、1000㎡という数字は、昔の測量方法で測っており、
そもそもその時点で正しい面積ではなかったのです。
それで、登記簿上も、公図にも残ってしまうのです。
しかし、分譲したときに、ちゃんと地図訂正などをして、解決しておけばいいのですが、
なぜかほったらかしで放置されていることがあるのです。
メンドクサイとか、余計なお金がかかるとか、そういうことなんだろうと思います。
固定資産税を徴収する市役所は、
現地を見て税金を決めます。
しかし、現地には土地がないので、課税されない。
幻の土地の所有者としては、特に痛いこともないし、
解決しようとすれば、
ウン10万から場合によっては100万以上の費用がかかる可能性もあります。
だから、結局そのままに。。。
まあ、でもこれ、時が経てば自然に解決されるということもないので、
どうしたもんかなあ。。。
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