【成年後見】成年後見制度の利用を促進するために

8月5日に、枚方市役所で成年後見制度についてお話をさせていただきました。

その場は、枚方市市民福祉委員協議会です。

枚方市議会の福祉を担当する委員会に所属する市議会議員さん8名に加えて、

傍聴に15名の議員さんが来てくださいました。

32名中23人の市議会議員の皆様にお話を聞いていただけたことに感謝です。

かなり緊張してしまいました。

 

事前に市民福祉委員会から、ご希望いただいたお題は、

成年後見制度全般と枚方市の課題について。

公益社団法人成年後見センター・リーガルサポートのメンバー4人で

いまはやりのzoom会議を繰り返し、内容を練っていきました。

 

僕が担当し、お話させていただいたのは

①どういう場面で、成年後見人が必要となるのか

②成年後見人が具体的にどんな仕事をし、どういう責任を負っているのか。

③司法書士として成年後見制度でどういうところで困っているか。

④市民後見人制度について

⑤成年後見人報酬助成制度拡充について などなど

 

これだけの内容を詰め込むために、ほぼ息継ぎなしで、酸欠状態で話し続けました。

どこまで伝えることができたのか?心配ですが、

何人かの議員さんとあとで話をさせていただいて、

成年後見人がかなり、しんどい仕事だということはご理解いただけたのではないかと思います。

人生100年時代と言われ、寿命は延びていくけども、

認知症などで判断能力を欠いて余生を送っていく方も増えていくことは、

認知症の特効薬がない現状では、避けられないことです。

 

国としては、成年後見制度の利用があまり進んでいないということで、

平成28年に利用促進法というものを制定しました。

その具体的な内容は、

行政などに、成年後見制度を利用しやすい仕組み、組織を整備していこうということが主です。

 

利用がすすんでいない、、、ということをどういう数字で捉えているのか?が

僕はまず問題だと思います。

 

単純に、高齢者が何千万人いて、そのうち、認知症などで判断能力を欠いている人が何百万人と推定される。ところが成年後見人として選任されたのが何人だから、利用が進んでいない。これは何とか促進して、後見人を増やさなければ、、、と考えたとしたら、あまり正しい導きでは無いのではと思います。

 

司法書士が、ぶっちゃけ言ってしまうのはよくないかもしれませんが、

判断能力を欠いてしまっても、財産管理や本人の生活サポートを家族や親族がしっかりとできていれば、後見人を選任されなくても良いと思います。

本人の名前で施設と契約をしたり、支払いをすることは、法的には家族であっても良いとは言い切れないのですが、本人のためになっているのでは、良しとしていいのでは?と現実には思います。

昔のように、親と同居している家族が多ければ、成年後見人の利用などしなくても済むことがほとんどだと思います。

だから、単純に、認知症罹患者がこれだけいるのに、成年後見人は少ない。だからもっと推進しなければ、、、というのは問題の解決でも何でもないのです。

 

いま、現場で問題になっているのは、

判断能力を欠いている人に、子がいないとか、いても疎遠とか、兄弟姉妹が関りを拒否しているとか、

家族親族で面倒を見てくれる人がいないことが、激増(僕の感覚的なものですが。)していることだと思います。

この場合、預貯金などある程度の資産があって、後見人への報酬が支払えるなら、まずは、大きなハードルをクリアできます。

しかし、預貯金がなく、売って現金にできる不動産などもなければ、後見人は原則として無報酬で仕事をしなければならない。

なんとか親族が関わって後見人になって、無償で身内の面倒を見ていく。厳しいですけど、これが本来あるべき姿と思います。

しかし、親族全員が関りを拒否して、だれも後見人にならないケースが増えています。

本人は、施設に入ることもできず、独居で、何日も食事を取ったのか取ってないのか?も覚えていない。引き出したお金がどこに行ったのかもわからない。

そういうケースの相談が、地域包括支援センターなどから司法書士に寄せられます。

 

僕は、ボランティアでは成年後見人には成りません。

成年後見人は、本人が亡くなるまでその責任を果たさないといけないし、昼夜問わず、緊急で対応を迫られる場合もある。借金問題の整理や、行政の手続きなども多々あります。

期限を切ってボランティアをするという簡単なものではないのです。

司法書士の中には、使命感からか、何人も無報酬で成年後見人をしている方もいます。

ただ、多くの司法書士は、引き受けないでしょう。少なくとも僕は無理です。僕自身や僕の家族も疲れ切ってしまう。

 

こういう場合、多くの市町村では、一定の条件のもと、成年後見人に対し、報酬助成金を出してくれることがあります。

しかし、全く理解がない市町村もあるし、助成制度があり予算はあっても、実際には、助成金を支給してくれない市町村も多いです。

税金で特定の民間人である後見人に報酬を払うなんて市民が理解しない!と言い放ったとある市の担当者もいます。

確かにね。税金を後見人に支給するの不公平だという考えも全く理解できないわけではないです。

だったら、市民のために市役所の職員が一人づつ後見人になってくれればいいのに、と思ったりもします。お給料もらっているんだし。

まあ、それはきつい言い方で、そうはいかないですけどね。

 

いま、市民後見人を増やしていこうという政策が大阪府下でも重点が置かれています。

市民後見人とは、報酬なしのボランティアを前提とする一般市民が後見人になるものです。

法的なことを詳しく知っている方がするのではないので、困難な問題があったり多額の財産があるケースは市民後見人には向きません。

例えば、借金があるとか、持ち家や賃貸住宅の処分をしなければいけないとか、本人と親族が揉めているとかは向いていません。さらに毎週本人と面会することを求められるので、ご近所さんでないと厳しいです。本人の財産状況によっては、交通費もでない。

そうすると、実際には、市民後見人に向いているケースがほとんどありません。

令和2年7月時点で、大阪府下で90件に満たない。

 

そういう状況で、先ほど書いたような、今日明日、さまざまな意味での危険が迫っている方を、

成年後見人をつけることで解決できる場合、行政から報酬助成がでる基準を緩和してもらって、

速やかに成年後見人選任の手続きをしていくことが重要だと思います。

だけど、なかなかそうならない。枚方市にもお願いしてるのですが。。。

今回のセミナーで、議員の多くの方にも、職員の方にも、後見人の現場を、そしてキツさを理解していただけたと思っています。

またいつでもお話に行きたいと思っています。

後見人の仕事を無報酬でするのは無理だけど、いろんな人に伝えに行くのは、これまでも結構、無報酬で行ってるんです。好きなんでしょうね。

 

後見人制度の利用促進、

僕個人的には、本当の第一は、行政に頼るまえに、家族親族でなんとかすることが重要だとは思いますが。

 

 

 

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