養子縁組について

年に何回もない。たまに聞かれる相談内容が、不思議と立て続けに来ることがあるんですよね。

今年に入って、立て続けにあった相談が、

養子縁組について。

 

養子縁組をする理由って、

家を残すため。氏、つまり苗字を残していくため。

相続人になる。

相続人を増やす。

だいたいこんなところでしょうか。

 

昔は、家を残すためが多かったんでしょうが、

いまは、戸籍上の子になって、相続する権利を得るということが主たる目的だと思います。

 

たとえば、

亡くなった人(被相続人といいます)に子がいないとき、相続する権利は

多くのケースでは配偶者と被相続人の兄弟姉妹に(両親が生きていれば、両親に)あります。

生前に、たとえば、甥っ子や姪っ子と養子縁組をしておけば、この甥っ子や姪っ子が相続するので、

被相続人の兄弟姉妹には相続分は無くなります。

あるいは、

後妻さんとその夫の実子という関係のときも養子縁組が検討されます。

この場合、後妻さんとその夫の婚姻届だけでは、当然には夫の子と後妻さんの間には親子関係はありません。

養子縁組の届けをして法的に親子関係にならなければ、

後妻さんが亡くなったとき、夫の子は相続できません。すごく仲が良かったとしてもです。

 

相続人を増やすために養子縁組をする理由は、

相続税を少なくするということが一つにあります。

相続税は相続人が多ければ、控除額が増えるので。

じゃあ、養子縁組しまくったら、税金無しになるか?

そんなに甘くはないですね。

(1)被相続人に実の子供がいる場合  一人までです。

(2)被相続人に実の子供がいない場合 二人までです。

ただし、養子の数を法定相続人の数に含めることで相続税の負担を不当に減少させる結果となると認められる場合、その原因となる養子の数は、上記(1)又は(2)の養子の数に含めることはできません。

詳しくは国税庁のホームページをご覧ください

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4170.htm

 

もうひとつ、相続人を増やす理由は、

一家でもらえる相続分を増やしたいことでしょうね。

実の子の配偶者を、養子縁組する。

たとえば、長男・枚方太郎さんの奥さん・香里さんを、長男の父・枚方市郎さんと養子縁組する。

そうすると、市郎さんの相続の時に、長男一家は、相続分が増えるわけです。

逆に、市郎さんの次男・枚方次郎さんと、長女・寝屋川ひとみさんは、相続分が減ります。

もともと、太郎さん、次郎さん、ひとみさんで、3分の1づつ相続するはずだったのが、

香里さんを加えて、4分の1づつの相続になるのです。

 

気を付けてくださいね。

きょうだい夫婦が知らない間に、養子縁組して、

揉めてしまったら、遺産分割協議ができなかったりしたら大変ですから。

あまりお勧めできません。

 

財産面でも大きな影響を及ぼす養子縁組。

ところが、その手続きはめちゃくちゃ簡単なんです。

びっくりするぐらいに。

 

長くなったので、次回に。

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