成年後見がからんだ不動産の処分
成年後見の研修に行ってきました。
成年後見とは、
人が判断能力に乏しくなってきたり、欠如してしまったときに、
本人を代理して、あるいは保佐して財産の管理をする制度です。
急速に進む高齢化社会において、
判断能力が衰えてしまった人の権利を守るためには
後見の制度は絶対に必要なものです。
しかし問題点もあります。
基本的に、後見人は本人の財産を維持することを求められます。
もちろん、本人の生活費や療養費などに本人の財産を消費することは構いません。
しかし、それでも適正な支出が求められるし、本人のためとしても投機的な使い方は許されません。
当然、本人のためになるのでなければ、本人の身内のために消費することも許されません。
本人が持っている不動産も基本的には処分することはできません。
居住用の不動産なら、処分するためには裁判所の許可がなければなりません。
居住用でない不動産なら許可はいりませんが、その処分によって得た代金は、
本人のためのものです。ですから身内のために消費したり、貸したりすることもアウトです。
後見人を就けないといけない状況になれば、財産を妻や子供のために使うことはできません。
僕は、個人的にはこのような状況はいいことではないと思います。
親は、なにかあれば子供の助けになりたいと思うものです。
何かあれば、援助できるようにと金銭的な用意をしている親も多いと思います。
しかし、もしも認知症が進んでしまったり、事故で突然に判断能力がなくなってしまったら、
もう、自分のお金で子供を助けることはできないと思った方がいいと思います。
その状況で、子供が親の財産を自己のために消費すれば、横領にさえ問われかねません。
しかし今の後見制度はそのようなものです。
制度が始まって11年。ほとんど改良されることなくきました。
時代に対応しきれてないので、早急に改善をしなければならないと思います。
ですが制度がある以上は、その制度のいい点、悪い点を理解したうえで、
対策は考えていかねばなりません。
子供や身内への財産の承継を考えるのはお早めに!です。
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