遺言の効力について

昨日、最高裁において、遺言と相続に関するとある判決がでました。

以下、産経新聞ニュースより転記 

相続人死亡、子供の「代襲」はダメ 最高裁が遺言めぐり初判断

2011.2.22 12:24

 親の遺言で子2人のうち「全財産を相続させる」と指定された長男が親より先に死亡した場合、その長男の子が権利を承継する「代襲相続」ができるかどうか争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は22日、代襲相続は認められないとの判断を示した。

 同種のケースをめぐる最高裁の初判断。原告は長男ときょうだいの東京都町田市に住む長女。遺言の効力はないとして、長男の子3人に対し、法定相続分に当たる不動産の2分の1の権利の確認を求め平成20年に提訴していた。3人の上告が棄却され、長女の勝訴が確定した。

 一、二審判決によると、金沢市に土地や建物を所有していた父親が4年に死亡。不動産の持ち分を含む全財産について、母親が5年に「長男に相続させる」との遺言を作成したが、亡くなる3カ月前の18年、長男に先立たれた。

 

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遺言による法的効力には、大きく分けて、「相続」と「遺贈」の2種あります。

ざっくり言うと、相続人に財産を譲る場合が「相続」、相続人でない者に譲る場合が「遺贈」です。

(但し、遺言に書いた文言によっては、相続人に対して「遺贈」の効力になってしまう場合がありますので要注意。)

 

今回の判決の事例のように、遺言で譲りたい相手(受遺者といいます。)が、遺言者より先に死んでしまった場合、

「遺贈」である場合には、民法に、遺言の効力が生じない旨が規定されています。

そして、別段の意思表示があったとき、つまり、先に死んでも、そのさらに子供に遺贈するなどの文言が記されていたときには、その意思に従うと規定されています。

(参考)

第九百九十四条  遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない。

 停止条件付きの遺贈については、受遺者がその条件の成就前に死亡したときも、前項と同様とする。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

 

「遺贈」の場合には、はっきりとした規定があったわけですが、「相続」の場合には、明記されていなかったために、今回最高裁まで遺言の効力をめぐって争われたわけです。

 

今回、最高裁は、「「相続させる」旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係、遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などから、遺言者が、上記の場合には、当該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り、その効力を生ずることはないと解するのが相当である。」とし、

民法に規定された遺贈のケースと似たような結果になると示したわけです。

 

ちなみに「代襲」とは、被相続人(亡くなった人)より先に推定相続人(将来の法定相続人)が先に死んでいた場合、その子供がその親に代わって相続することを言います。

今回の判決のケースは、結果として、先に亡くなってしまった人(長男)の子供達3人と長女の4人で、財産を分けることになります。

法定相続分どおりだと、長女が半分、あとの半分を長男の子供達3人がそれぞれ6分の1づつ貰うことになります。

遺言が効力を発しなかったため、長男の子供達は最初もらえると思っていた財産の半分しか貰えなくなってしまったと・・・

 

どうしても!なにがあっても!絶対に!この子には財産をあげたくないねん!!という強い意志をお持ちの方は、

遺言で二重三重に、その旨を書いておかないとだめですね。

まあ、それでも遺留分があるので、必ず意思が反映されるとは言い切れないわけですが・・・

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