2010年を振り返って③
ここ数年、過払金返還請求を含めた債務整理の依頼が、
香里司法書士事務所の業務のかなりの割合を占めていたのですが、
今年は、グッと減って、代わりに不動産登記の割合が高くなってきました。
世相としては債務整理が多いのは決して良いことではないでしょうし、
不動産が流動するのは良いことでしょうが、
経済状況が好転して、様々な問題が根本的に解決された訳ではなさそうです。
2011年は、景気浮上して、もっと不動産市場が賑わってくれることを願いたいです。
なかなか景気浮上は期待薄でしょうが、
生前贈与の優遇措置の変更が検討されており、孫への贈与もしやすくなり、
相続対策として、不動産購入を検討される方も増えるかもしれません。
また、住宅ローンも超低金利状態が続いており、さらに所得税控除の制度も使えますので、
住宅の購入は今がチャンスといえるでしょう。
また、今年はうちの事務所でも、成年後見に関する業務が増えてきました。
市長申し立てによる成年後見人就任や、
ご身内の後見人に就任される方のサポートや相談。
さらには、不動産の取引の場面に成年後見人が絡むということもありました。
着実に高齢化社会が進み、成年後見制度が徐々にですが浸透してきているのが実感できました。
債務整理については、案件が減ったとはいえ、自己破産や任意整理の相談が無くなったわけではありません。
過払金返還請求は、武富士の影響から、また増えつつあり、来年もまだ続くでしょう。
おそらく武富士に続いて、破たんする企業が出てくるのではないでしょうか。
破たんにより過払金を回収できれば他社に返済できたケースが、
回収できず、自己破産になってしまう方もあり得ますので、
早めの対応がポイントになります。